【自作】撮影業界で使う箱馬の簡単な作り方を解説!工作が苦手な人にもおすすめ!

箱馬とは??

木材で作られた箱型の小道具です。舞台のステージや撮影現場において、1m以下のちょっとした台上げをはじめ、踏み台に使ったり、撮影台になったり、ちょっと休憩するために座ったりと、雑務全般で用いられる雑貨です。

 

実際の使われ方は現場によってそれぞれですが、現場の監督やアシスタントのアイデア次第で何にでも応用が利く万能アイテムなのです!

 

例えば僕は撮影台の高さを上げる足として、箱馬を重ねて使うことが多いです。

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箱馬は何年も使うと塗装もハゲたりボロボロになったりして、ちょっとみっともなくて使えないな・・・という状態になりがちです。

今回はホームセンターで手近に揃う木材を利用した、箱馬の簡単な作り方をご紹介します。

 

作業前の確認事項

何はともあれ工作はまずは設計することから始まります。

設計と言ってすでにハードルを感じる方も多いと思いますが、今回設計する箱馬は、一度作れば今後も簡単に作り続けられる単純設計を目指しています。

まずはどのような準備をすればいいのか下記のリストを参考にしてください。

  • 既存の箱馬があればサイズを確認
  • 電動ドリルとドリルビットはあるか
  • 近くのホームセンター、または材木販売所でカットサービスはあるか
  • 店までは車で行けるか

 

既存箱馬のサイズ

箱馬は現場によって様々なサイズがありますが、例えば商品の写真撮影で設置する撮影台を、箱馬6つ使って構築する場合、そのうちの一つでもサイズが違って足並みが揃わないとガタガタになってしまいますね。

数ミリの被写体操作が要求されるマクロな物撮りでは、安定しない台で作業するのは論外ですので、新しく作り直す場合は、思い切ってすべて新調するか、現状と同じサイズを作るようにしましょう。

 

電動ドリル

実際に制作する際には電動ドリルが必須となります。女性アシスタントでも最低限扱えるようになってほしい工具の一つです。むしろスタジオ勤務なら嫌でも毎日使っている工具だと思うので、使いこなせない人はまずいないと思いますが、、

下穴を開けるためのドリルビットも必要です。あとで説明するネジの太さよりも細いドリルビットがあるか確認しないといけません。

 

木材カットサービスの確認

意外と見落としがちですが、小規模のホームセンターでは木材カットサービスがない場合の店舗もあります。最悪のこぎりで材料を切ってもいいとは思いますが、

木材が長尺なので持って帰るのに車に載らない。。

量産したいからいちいちのこぎりで切っていられない。。

断面が不均一になるのでガタガタな箱馬になってしまう。。

といった懸念が容易に想像できます、やむをえず遠くてもなるべくカットサービスのある店舗で購入しましょう。

手切りはマジでお勧めできません。

 

車持ってる?

箱馬を一個だけ作るという事案はまずあり得ないと思います。少なくとも何らかの撮影セットを組む予定だとして、最低でも4つは作ることになると思います。

箱馬を4個作るための木材の量は、およそ畳1枚分くらいの面積くらいになると思います。切断してもらっても10kg近くは想定されるので、手持ちや自転車ではまず持って帰れません。

必ず車で行くか、ホームセンターの軽トラックレンタルサービス、配達サービスを使ってください。

 

設計と材料について

既存の箱馬のコピーを作る場合は、オリジナルをできるだけ正確に測ってお店で木材を切ってもらう必要がありますが、箱馬を初めて導入する場合などは、ホームセンターで売っているツーバイフォーなどの規格になっている木材を選べば、切断する際のオーダーが非常に楽です。

ちなみにネット販売している箱馬を見ると、相場は約5000〜7000円。送料がかかって来ると、数十個単位で導入するのはなかなか気が重いです。

自作できれば1個1000円以下のコストなのでかなりお勧めです。

 

オススメの木材

箱馬の木材でもっとも都合がいいのはズバリ「SPF材」です。

DIYにあまり詳しくないという方は何じゃそら?と思われるかもしれませんが、ホームセンターでは最も安く日曜工作に向いている木材の一つなのです。

SPF材とは?

S:スプールス(Spruce)
P:パイン(Pine)
F:ファー(Fir)

という常緑針葉樹の総称で、加工に優れ育ちも早いことから、建築材である2×4材として昔から北米でよく使われていました。2×4(ツーバイフォー)材とは木材の幅と厚みをインチで表記している名称です。メートル表記なら38mm×89mmですね。

日曜工作としては十分な強度を持ち、女性でも作業できる柔らかさを残しています。

 

6フィート(1820mm)の長さで大体300円程度という驚きの安さで、どのホームセンターでも販売されています。

建築規格には2×4だけではなく、柱のような4×4や、平たい天板のような1×12などもあります。

そんな数あるサイズのSPF材の中で、僕の考える最も箱馬制作に適したサイズはズバリ1×5と1×6です。

 

設計イメージ

 

今回は一般的な箱馬の大きさであるH450mm:W300mm:D150mmを基準に作っていきたいと思います。

枠材として切り出す1×6のサイズはW140mm:D19mmです。このW140mmが箱馬を実際に組んだサイズのD150mmに相当するので、木材の幅と厚みはそのまま活かして制作できるのです。

つまりホームセンターでカットしてもらう際には、それぞれのパーツの長辺だけを考えればいいので、計算が非常にシンプルになるのです。

1個の箱馬に必要なパーツは

1×5(補強材)→450mm×4枚

1×6(枠材)→450mm×2枚 300mm×2枚

しかし1×5という規格は他の木材に比べると、店舗ではあまり販売されていないかもしれません。

幅が2倍の1×10なら大きめのホームセンターでよく見かけるので、カットの際にまずそれを縦割りにして、2組の1×5にしてもらいましょう。

長辺が2m以下なら、だいたいどこのカットサービスでも縦割りは対応してくれると思います。

 

全部1×6で作ってもいいのですが、真ん中の隙間が狭まって手が入りにくくなり、取り回しが悪くなってしまいます。

 

規格としてはメジャーな1×4木材を使うと、隙間が広すぎて人が立つスペースが無くなってしまいます。

機能性も兼ねたシンプルな箱馬には1×6と1×5の木材を組み合わせるのがちょうど良いのです。

制作時の端数について

上の設計図のように組んだ場合、箱馬の幅と奥行きは木材の厚みの分だけ長くなり、厳密にはW:338mm:D178mmという数字になります。

 

W:300/D:150といったキリのいい数字で作るには、カットの際にはみ出す分のW:38mmとD:28mmを差し引いてオーダーする必要があります。

しかし今後継続的に制作するとしたら、端数なんかはいちいち覚えていられないので、個人的にはお勧めできません。

 

現場で最も高頻度に使われる部分は、残った高さの辺である450mmなので、短辺はある程度の端数で作られていても大して影響はないと思います。

 

 

その他の道具

箱馬づくりで忘れてはいけないその他の道具です。

  • 3.3mm×45mmのスリム木ネジ
  • 500gくらいの木工用ボンド
  • 下穴用の2.0mm前後のドリルビット

木ネジ

正確には「コーススレッド」と言います。ネジの抜けにくさは釘の4倍以上はあると言われており、特に理由がなければ使わない手はないということです。

ネジは非常に奥が深い工具です。間違った選び方をすると、完成度も低く安全性も危険な製品ができ兼ねませんので、以下の注意点をよく読んで選んでください。

 

ネジの太さについて

今回厚み19mmの木材にねじ込むので、割れを防ぐためになるべく細い物を選びます。今回は一般的には最も細い3.3ミリの物を選びましょう。(スリムネジとも表記されています)

 

ネジの長さについて

また今回のような二つの木材を締結する場合に適したネジの長さは、「取り付け物の厚み+20mm」の長さと言われています。

ネジ部分のねじ込み深さが20mmもあれば強度は安心です。

今回は19mm厚の取り付け部材ですので、20mmを足した39mmに最も近い規格の、全長45mmほどのネジを選びましょう。

 

全ネジと半ネジの違い

そして何より必ず半ネジを選ぶようにしましょう。

DIYの経験のない人はこの二つのネジの違いがわかりにくいと思いますが、効果が全く違うので工作では案外落とし穴だったりします。

半ネジとは見ての通り上の方だけネジが切られていない作りになってます。これにより二つの木材を締結する際に、お互いを引き寄せる方向に力が発生し、自然とガチガチに固定できるのです。

全ネジとは芯の全てにネジがついている物です。このネジで二つの木材にねじ込むと、半ネジのように締め付け固定ができず、お互いが浮いた状態でグラグラになってしまうことがあります。

参考 コーススレッドなど【ビスの長さの選び方】DIY Industrial design

 

今回買うべきネジをまとめると
3.3mm×45mmの半ネジが必要です。

箱馬一つ作るのに28本のネジが要るので、箱馬を全部で何個作るか考えて計算しておきましょう。

 


木工用ボンド

今回はネジで締結する前に、木材表面にボンドを塗っておきます。

これで人が乗っても絶対に壊れることのない強固な箱馬が出来上がります!

 

 


下穴用ドリルビット

木材の端部にネジを打ち込むことになるので、そのままネジを打つと割れる可能性が非常に高いです。ネジに対して1mm以下のものが望ましいので、今回使う3.3mmのネジに対して2.0mm程度のドリルビットを購入しておきましょう。

 

筆者おすすめの電動ドリルです。コード型の方が軽くて女性でも使いやすいです。バッテリー切れの心配もないですし。

 

実際にホームセンターで購入

ホームセンターは木材の品揃えが多い規模の大きいお店を選ぶようにしましょう。

木材がずらっと並んだコーナーがあると思いますが、SPF材のコーナーはどのホームセンターでもしっかり陳列されているので見つけやすいはずです。

必要な長さの計算

まずは今回作りたい箱馬の数を確認し、購入する木材別に総延長を計算しましょう。

例えば箱馬を4個作る場合

1×5・・・450mm×16枚→7200mm

1×6・・・450mm×8枚、300mm×8枚→6000mm

各木材の総延長がわかれば、その長さを満たすような商品を選びましょう。

例えば1×5の450mmを16枚にカットする場合、カットの際縦半分にしてもらう前提として、1×10の8F(1800mm)を2枚購入すれば良いわけです。

店によっては欲しい長さの木材が都合よく置いてない場合があるので、他のサイズを組み合わせて無駄のないように必要サイズを購入しましょう。

注意
陳列してある木材の長さは3mを超える場合もあるため、台車に乗せる際には注意が必要です。二人以上で行くかお店の人に運んでもらいましょう。

木材カットサービスに依頼

まず選んだ木材を購入し木材カットコーナーでオーダー用紙を記入します。

木材の種類別にどの長さを何枚欲しいか簡潔に記入しましょう。

箱馬4個制作する場合、1×10を縦割り→1×5の450mmを16枚、1×6の450mmを8枚と300mmを8枚と記入すれば伝わります。

あとはお店の人がカットしてくれるのを待ち、カット料金を支払って持ち帰るだけです。

 

組み立て開始

パーツの確認

箱馬の制作は、下穴あけ→ボンド塗布→密着させてネジ打ち、この作業の繰り返しです。

1×6で枠組みを作って、1×5で補強する2ステップです。

1×5と1×6は幅が似ているので、組み合わせの時に間違えないように確認しておきましょう。

下穴ガイド準備

制作の過程で下穴の印をつけていくことになりますが、その都度木材に対して定規で測るのはとても非効率です。

同じ場所に下穴を開けることが多いので、紙でもなんでもいいので、いっそ画像のようなガイドを作ってしまうことをオススメします。

ケント紙を19mm四方に切ったものに、木材の厚みの中点である9.5mmの位置に目盛りをつけておきます。下の画像のように、木材の端にこのガイドを合わせれば一発で下穴のマークをつけることができます。

今回は基本的に木材の角に対してこのようにガイドを当てて下穴をあけていきましょう。

枠組みの制作

1×6をこの画像の組み方になるように組み合わせていきます。450mmで300mmを挟むようにします。

先ほどのガイドを使い下穴の印をつけ、450mm材と300mm材を固定するネジの下穴をあけておいてください。

 

接着面にボンドを塗っておきます。締結した際に少しはみ出すくらいがちょうどいいです。

 

はじめに接着する部材の精度は非常に重要です。ここでずれが生じると後に取り付ける部材全てにずれが移っていくので慎重に作ってください。

垂直がきちんと出るように、身の回りのアイテムで工夫しながらネジを打ち込む環境を整えていきます。

下穴が開いているので、力をかけなくてもスルスルとネジが入っていくはずです。

 

SPF材は柔らかいのでネジを沈めることができます。ネジ山が出ていると怪我の元ですのでこのくらいまで沈めておくと安全です。

 

ネジで締結するとボンドがはみ出てくるので、乾かないうちに拭き取っておきます。

 

一つ組み合わせができると自立してくれるので、リズムよく組み上げらると思います。

精度よく並行と垂直を意識して部材を貼り合わせていきましょう。

 

枠組みができれば次は1×5で補強していきます。

長尺を買って切り出したため反りが強い部材もあるかもしれませんが、できるだけ面が並行になるように組み上げてください。

 

1×5材の取り付け

先ほどの枠組みに対して1×5材をその上から補強していきます。

同様に角部分にネジを打ち込んでいくわけですが、先ほどと同じ場所に打ち込んでしまうと、すでに打ち込んであるネジにぶつかってしまいます。

 

 

そこで図のように紙片ガイドを90度回転させて(手前のガイド)下穴をマークをすることで、既に打ち込んであるネジを避けて板を取り付けることができます。

 

 

ボンドを接着面に塗って下穴をあけていきましょう。

 

4枚の1×5を貼り付けられたら完成です。

 

完成

簡単な構造ですが完成してみればなかなか壮観です。慎重に作って30~40分ほどかかるのではないでしょうか。

ちなみにこの写真では補強材の真ん中にもネジを打ち込んでみました。あまり強度は変わりませんが。

 

この通り体重60kgの筆者が乗ってもびくともしません。三脚でカメラが高いところに上がっても、この箱馬で素早く確認できます。もちろん中辺・短辺に倒して乗っても十分頑丈でした。

また450mmという覚えやすくキリのいい数字の高さは台上げ時に参考にもなります。

これを量産すれば、精度の高い土台のステージや物撮りセットを組むことができます。

 

この設計のいいところは覚えやすい数字で成り立っているだけではなく、補強部の1×5という絶妙なサイズ感のおかげで、画像のように腕を通せるようになっています。

隙間に腕を入れて両手に4つ箱馬を持ち、さらに他の物を同時に持つことができます。なんなら箱馬6つ持ってもいいです。

片付け時になるべく多く荷物を抱えたい時など、アシスタントのパフォーマンスに直結する地味に大事な隙間なのです。

コンパネ材で作られている箱馬もたまーに見かけますが、薄い部材のために断面が少し鋭利で、手や腕で抱えると擦れて痛いことがよくありました。19mm厚の木材で構成されているこの箱馬は、柔らかい素材と丸みを帯たエッジのため、持ち手にも優しい肌触りとなっています。

 

箱馬は偉い

かなり詳しく箱馬の作り方を解説しましたが、実際は現場によってサイズ感が変わるため、あくまで初めて箱馬を導入し、継続的に同じサイズの物を増やしていく方向けに紹介しました。

ちなみに個人的には塗装は施さない派です。施工前に塗装するのも面倒だし、撮影で箱馬自体が写り込むとかで困ったことはありませんし。

 

筆者もアシスタント時代には毎日のように様々な機材と格闘しましたが、どんな機材よりも日々もっとも手に触れる機会の多いアイテムがこの箱馬だったのではないかと思います。

昨今では様々なサードパーティの便利カメラアイテムに目がくらみますが、今思い返せばこの何の変哲も無い箱馬が何よりも一番頼もしいアイテムだったのでは無いかと気づき、このような記事を書いてみました。

一度作れば5年くらいはしっかり使えて、撮影ではなくてはならない相棒となってくれると思います。機材費の節約のためにもぜひ自作箱馬に挑戦してみてはいかがでしょうか!

3 Comments

和気産業 岩本

はじめまして、和気産業の岩本と申します。
この記事を参考にして実際に箱馬を作らせていただきました。とても作りやすかったです。

箱馬を作るにあたり、一般の方はどういう風に作っているのかネットで調べたところ、こちらのサイトが一番分かりやすく作りやすいと感じました。
ネジがぶつからないようにする工夫もあったおかげで、DIYが得意ではない私でも失敗せずに作ることができました。
そこで、これから箱馬を作ろうと思う方にぜひ知っていただきたく、当社が放送するDIYの番組でこの作り方をご紹介させていただきたいと思います。

https://freshlive.tv/wakitv/248104
こちらのURLで、12月12日15時よりご紹介させていただきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

返信する
moric552527

この度は番組でご紹介いただき誠にありがとうございました。
今後また面白い自作アイテムが思いついたら書き溜めていきますので、チェックくだされば幸いです!

返信する
和気産業 岩本

先ほどコメントさせていただきましたが、お送りできたか分からなかったため、念のためもう一度お送りさせていただきます。
もし既にご確認いただいていましたら、大変申し訳ございません。
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はじめまして、和気産業の岩本と申します。
この記事を参考にして実際に箱馬を作らせていただきました。とても作りやすかったです。

箱馬を作るにあたり、一般の方はどういう風に作っているのかいろいろと調べたところ、こちらのサイトが一番分かりやすく作りやすいと感じました。
ネジが重ならないようにする工夫もあったおかげで、DIYが得意ではない私でも失敗せずに作ることができました。
そこで、これから箱馬を作ろうと思う方にぜひ知っていただきたく、当社が生放送するDIYの番組でこの作り方をご紹介させていただきたいと思います。

https://freshlive.tv/wakitv/248104
こちらのURLで、12月12日15時よりご紹介させていただきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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