クリップオンストロボとは?
クリップオンストロボ(通称:スピードライト)とは、カメラのホットシューに装着できるストロボのことです。下の画像がカメラのてっぺんにあるホットシュー。
クリップオンストロボは主に単三電池で稼働し、持ち運びに便利なことからプロアマ問わずさまざまなフィールドで活用されてきています。
フラッシュブラケットなども様々開発されて、今や簡単な物撮りにも用いられる事もあり、従来型のジェネレーターと同じくらいの頻度で活用されています。
今回はAmazonのクリップオンストロボのカテゴリで最も評価の高いNEEWERのTT560という製品を紹介します。非常に安価でありながら実用性のあるコスパ最高なストロボですよ。
NEEWER TT560 開封
まずはパッケージからです。赤と黒でビシッとしまったデザインですね。
ちなみにNEEWERの読み方はニューワーだそうです。
説明書とポーチ、スタンドが同梱されていました。
外観
ストロボの正面です。受信部の作りもキャノンのクリップオンストロボとよく似ています。
背面です。操作パネルは極めてシンプルです。フィルム時代のストロボを思い出すようなデザイン。後ほど操作方法は解説します。
電池パックです。もちろん単三電池4本で駆動します。
発光部の形状です。キセノン管がそのまま突っ込まれているような見た目。
ワイドパネルとキャッチライトを入れるためのホワイトリフレクターも標準装備。結構ありがたいです。
ホットシューはごくごくシンプルな接点です。
TTLやZoom照射角調整の機能が無いため、シャッターと同調する接点しかありませんね。
ちなみにロックリングを締めると滑り止めのダボが伸びてくる仕様となっていて、意外と気が利きます。
左のコネクタが外部電源用で、電池を8本搭載できるバッテリーパックと繋ぐことができ、より多くの発光回数を稼ぐことができます。
右のコネクタはシンクロケーブルの穴で3.5mmミニフォンジャックというものです。イヤホンケーブルのジャック同じやつです。シンクロケーブルとは、ストロボをカメラから離して使用する際に繋げるコードです。
好きな角度から発光できるようになるのでライティングにはもってこいのアイテムです。ホットシュー繋がってなくても、シャッターとシンクロさせることができます。
ちなみに昨今ではワイヤレストリガーと呼ばれる無線の発信機も盛況です。そんなに高価なものではないので、どちらかといえば無線がおすすめです。


操作パネル

- ON↔︎OFF・・・電源の切入
- TEST・・・テスト発光ボタン。出力を下げた際のリセット(カラ発光)にも使う。
- MODE・・・マニュアルモード、スレーブモードS1/S2の切り替え
- ー↔︎+・・・露出の調整。1/1~1/128までの8段階
TESTボタンの解説
MODEボタンの解説
M→S1→S2とモードを切り替えることができます。
Mは”マスターモード”か”マニュアルモード”かわかりませんが、カメラのシャッターに直接反応するモードです。通常仕様はこちらの設定にしておきましょう。
S1モードとS2モードですが、いずれもスレーブに関するモードです。
スレーブとは他のマスターストロボの発光に同調して自身も発光するという機能です。多灯ライティングで力を発揮します。基本的にはS1モードがそれにあたります。
しかしそれに対してS2モードとの違いがわからない、、という情報がネットで多く見受けられます。NEEWER付属の解説書が英語でかかれてあるので少し意味がわかりにくいそうです。
ちなみにこのNEEWERと全く同じ機能を持つストロボがGODOXでもかつて販売されていたんですが、
その名も「TT560」
名前も外観も全く同じです笑。
NEEWERとGODOXの関係は知りませんが、商標をそのまま譲渡させたのではと思えるくらい類似品です。見た目も同じです。
まあそれはいいんですが、実はこの同じ(多分)GODOXのTT560の説明書には、日本語も存在していたんです。
これが非常にわかりやすく、S1/S2モードの疑問が解決できるのでこちらに紹介しておきます。
参考 GODOX TT560 日本語説明書GODOX TT560 manual pdf
説明書によると、他のプリ発光ストロボと同調させる場合はS2を使うと書いてあります。
なるほどです。
オートで測光するTTL機能のついたストロボを活かした多灯ライティングを想定しているのでしょう。
プリ発光というのは、ストロボがTTLによる測光をするために、本番発光前のわずか一瞬の間におためし発光する機能です。
このおためし発光によって、ストロボが自動で適切な出力を決めてくれるんですね。
もちろんTT560にはそんな機能は搭載されておりません。
そのプリ発光の際にTT560が間違って反応してしまわないように、プリ発光はスレーブを無視し、次の発光でスレーブするということですね。
つまりマスターの発光一回おきにスレーブするという機能です。偶数回のみ発光とも言えます。
いたってシンプルな機能です。
実際に筆者が持つ別のストロボをマスターとして、TT560をスレーブにして、連続でマスターを発光させたところTT560の挙動は、
無視→スレーブ→無視→スレーブ…と一回おきに発光してくれました。
まあ結論としては、特に必要な機能でもないのでスレーブさせる際はS1でいいと思いました。
その他の仕様
ガイドナンバー
最大で発光した場合の出力の目安となるGN/ガイドナンバーは38だそうです。しかも照射角は28mmが基準だそうです、結構明るいですよこれ。
ガイドナンバーとは暗闇でフラッシュを使う際に、ISO100で適正露出で写すことができる距離と絞りの関係です。
ガイドナンバーの数字が大きいほど、より明るく発光できるストロボ能力の目安となっています。
それを求める計算式も存在します。
昔のストロボはTTLや調光機能が搭載されていなかった(出力固定)ので、この計算式を頼りに「このストロボのGNで今の被写体との距離なら絞りはだいたいこれくらいだな…」というように設定の参考にしていたわけです。
また望遠レンズなど、レンズの焦点距離が長い場合は画角が狭くなるので、それに従って被写体に光を当てる照射角も狭くていいということになります。
純正メーカーのストロボには、装着しているレンズの画角を照射角に換算させ、フラッシュ管のリフレクターを狭くする機能が備わっています。
そうなると理論上光は収束して、被写体に届く光はより明るくなりますよね?
だから公称スペックでは例えば「ガイドナンバー60!」と高出力をうたっていても、注釈で照射角200mm換算と書かれてたりするので、少しズルい言い方だったりします。
したがって、メーカではその語弊をなくすために、さまざまな照射角でのGNを公表しいるんですね。
今回はTT560が焦点距離28mm換算の照射角でGN38だというスペックに対し、純正メーカーとどれだけ違うのか確認したいと思います。
例えばCanonで一番明るいクリップオンストロボの600EX2-RTのスペック表を紹介します。
http://cweb.canon.jp/camera/eos/accessary/detail/1177c001-spec.html

もちろん純正ストロボは他にも様々な機能があるので、そのぶん高額になるわけです。
しかし少なくとも筆者がストロボを求める基準は光量と丈夫さだけなので、TTLオートやズーム調整などに関しては必要ではありませんでした。
普段はバウンスを前提の使い方なので、直接被写体に発光する機会がありません。つまり画角に対して照射角からGNを考える必要がなくなるわけです。
出力設定も結局マニュアルの方が安定するし、早いので。
とりあえずガイドナンバーの詳しい説明はこちらのサイトにお任せします。
参考 ストロボのGN(ガイドナンバー)って何?デジタル忘備録
GNだけならTT560はかなりお得だということがわかりました。
オートパワーオフ
個人的にはこの機能がいらないですねー。30~60分仕様がなかった場合は自動で電源が切れ、ON/OFFボタンを入れ直すという機能です。
物撮りしてる時に、作業が進んで絶対にライトを動かしてはいけない時にパワーオフされるとかなり萎える。また3灯とか使ったとして、一個一個電源をつけ直すのもいやですねー。
それにしても30分以上というのはかなり猶予をくれている方だと思うので、まあ許してやろうという気持ちです。
430EX2は10分とか結構早めに切れてたのでかなりイライラしてました。
基本的な互換
中華製ということもあって、そもそも自分のカメラに装着してちゃんと発光するか心配でした。
一応テストしたところCanonの一眼レフのホットシューで発光を確認、特に不具合はなし。一安心です。
yongnuoのワイヤレストリガーにも不具合なく反応してくれました。合格です。
使用例
1灯だけのオフカメラフラッシュができれば、様々な表現ができます。カメラから離して自分で光の当て方を探ることが出来ます。
白壁にバウンスさせただけでも、このように光に方向性のある画像を作ることもできます。1灯ならではのコントラスト感ですね。
またこちらはTT560を1つだけ使って3方向からライティング。
ブレンドモードを変えてスクリーンで合成しました。こちらの記事で紹介しています。

まとめ
TT560のレビューいかがだったしょうか。
簡素な作りなだけに、機能もシンプルでその分故障のリスクも減っていると思います。
スレーブが標準装備な点と、値段にそぐわない強い光量が、¥3,000程度で手に入ると考えると恐ろしいくらいのコスパです。
筆者も撮影の補助ライトとして使っています。プロの現場にもっと浸透するといいなあと思います。
皆さんも是非おためしください。
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