ヤフオクやメルカリ、creemaなどに出品する際、ちょっと小綺麗な写真で出品したいなぁと思いつき、撮影方法などをネットで調べてみる方は多いと思います。
しかしいずれのサイトの情報も撮影方法が結局分かりにくかったり、面倒な道具を使わないと撮れなかったり、結果妙にお金がかかってしまいます。
凝った撮影に慣れていない女性や、気軽な撮影を想像していた方には、ちょっと受け入れにくいのでは?と前から気になっていました。
今回はそんな出品サイトで一旗あげようと頑張る女性や、TwitterやFacebookなど普段使いのSNSでちょっと自慢したいと考えている方に向けたテクニックを紹介します。
なんとノートPC1台を使ってライティングすることでプロ並みに質感の良い小物写真が撮れてしまうんです。
カンタンにまとめると
実際の方法
撮影方法は非常に簡単なんです。
真っ暗な部屋の中で、ノートPCのキーボードの上に板を置いて撮影台を作り、白い画面を表示させたモニターを傾けて隙間から撮影するのです。
セットを見やすくするために一旦明かりをつけて解説します。
画像のように非常にシンプルなセットである事がわかると思います。
ほんとに綺麗に撮れるのかよ、と疑問に思われるかもしれませんが、実際にモニターの隙間からシャッターを切ってみると、、、
こんな風に非常にクリアな質感で撮影できてしまいました。案外使えると思いませんか?カメラマンとして働いている筆者でも結構驚きでした。
今回使っているカメラはCanonの一眼レフで、100mmの中望遠のレンズを使っています。
明暗差に弱いスマホではうまく写りませんでしたが、ズームやマクロが使える少し高価なコンデジから、安いミラーレス一眼であれば十分対応できると思います。
CanonのEOS Kissシリーズなど家庭用一眼レフなどであればバッチリです。
詳しい撮影方法やカメラの設定はさらに下の項目に記載しています。
ノートPCライティングで撮影するメリット
本来ライティング撮影に臨むには、ストロボやトレペを垂らしたディフューザーをセットしたり、定常光ならコードに繋いでスタンドに立てて、、とにかく色々準備しないといけません。
簡単かつ時短になるのがこのノートPCライティングなのです。
またそれ以外に得られるメリットもたくさんあるんです。
- 準備がとにかく簡単なのに、プロと同じ”トップライティング”を真似る事ができる。
- 撮影台がノートPC→特別な撮影スペースがいらない。
- 特別なスタンドなど無くてもライトを操作できる。
- 夜でも撮影できる。モニター以外の光をカメラに影響させないため、むしろ暗いほうがいい。
- いつでも決まった光で撮れる→一度設定が決まれば、それ以降は素早く撮影ができる
- 青や赤などの画面にすればカラフルな雰囲気で撮れる。
プロのライティングと同じアプローチ
モニターを傾けて、少し逆光気味で光を被写体に当てる方法は、プロのカメラマンなら誰もが日常的にセッティングしている「トップライティング」や「天トレライティング」と呼ばれる手段とほぼ同じなんです!
プロの現場では、画像のような乳白のディフューザーと呼ばれる紙越しに柔らかな光を当てます。
紙全体が発光するような状態となるので、被写体をクリアにかつ立体的に撮影できるわけです。
ノートパソコンは画面が閉じるので、斜め後ろから光を当てるというスタイルが、プロの現場で行われているライティングと、かなり似ていることに気が付きました。
準備するもの
特殊な機材や片づけるのが面倒なアイテム(蛍光灯とかトレーシングペーパーとかそれを支えるスタンドとか)は使いません。
背景バリエーションの素材を考えるだけでいいので、機材準備のストレスがかなり少ない手段なんです。
以下に準備するものを紹介します。
ノートパソコン
これが無いと始まらない。一般的な15インチサイズがオススメです。
被写体のサイズはモニターサイズの半分以下を目安にして、光がなるべく全体的に被写体へ当たるように余裕を持たせましょう。
一眼レフ
Canonでいうとキスデジ、ミラーレスや高級コンデジでも可。スマホはまだまだ綺麗に撮れるレベルではありませんでした。
レンズはできればマクロ付きか望遠は70mm以上が良いです。広角気味なレンズしかないなら、撮れた画像をクロップしてください。
三脚
カメラが止まればなんでもいいです。メーカーでいうとスリックなど安いのでいいです。
白の画像
画面をなるべく真っ白にするために、文字通り真っ白な画像を用意します。
白の画像は以下のリンク先から右クリックで保存してください。
撮影台となる板
いきなり紙をキーボードの上に置くと、凹凸でシワができますよね。
100均に売ってある木の板などで構いませんので、硬くフラットな台で作業しましょう。
布などフラットに張りたい場合は四隅に押しピンなどを打てるようになります。
好きな背景
今回は身近にあるケント紙などを始め、安いものを参考にさせていただいています。
100均のレザーシートを使ってクールに演出したり、
生地やマフラーを敷いてもサマになります。生成りやオイルフィニッシュの板などあれば、アンティークで流行りの雰囲気がでそうですね。
撮影手順
- STEP.1白の画像をモニターに表示事前に保存しておいた白の画像をノートPCで開き、全画面表示にしておきましょう。
- STEP.2モニターの明るさを最大に
今回の撮影に使うモニターの明るさは、カメラにとって非常に暗いんです。できるだけ明るく設定しておいてください。
- STEP.3撮影台の板をキーボードの上に置く撮影台を作るとキーボードには触れなくなるので(もちろんマウスは使えます)、パスコード入力が必要になるスリープなどはあらかじめ切っておきましょう。
- STEP.4三脚とカメラをセット・画角を合わせるマクロのないレンズやカメラは、できるだけカメラの位置を寄せたり、ズームを使うとちょうどいいサイズに収まると思います。
- STEP.5カメラの設定マニュアル設定をご存じなければ基本はオートでも問題ありません。
1秒~数秒のスローシャッターになると思うので、三脚の上でも普通にシャッターを切るとブレます。セルフタイマーにしておいてください。
- STEP.6部屋を真っ暗にしていざ撮影とにかく何度も撮ります。
「被写体の位置」「光の当て方」「カメラの設定」など試してみてください。僕も今回1シーンにつき20枚くらいは試行錯誤してます。
ちょっとしたテクニック
今回のスタイルの場合、ライティングのバリエーションは多くはないですが、シンプルな手段だとモニターの光を横から当てるなどして雰囲気を変えることは可能です。
また以下のようなちょっとした工夫で、一味違った見せ方もできますよ。
コントラストをつける
モニターがヒンジで開閉するというノートパソコンでは当たり前の構造を利用して、光の当て方を変えることができます。
これによりコントラストの強さを変えることができるのです。
以下の画像のように「閉じた状態」と「開いた状態」で撮り比べてみました。


すると得られた結果はこのように変わります。左の画像が閉じた状態、右の画像が開いた状態です。


閉じた状態だと光が被写体の手前部分まで回ってくるので、全面的にフラットな印象になります。
開いた状態だと、光が逆光気味になるので被写体の手前に影が差し、コントラストの強い印象になります。
素材を正直に見てもらいたい時はモニターを閉じ、カッコ良く印象的に見せたい時はモニターを開くと効果的です。
レフ版で明るく
モニターを開いて撮った際は、被写体によっては手前が暗くなり過ぎることがあるかもしれません。
そんな時は業界お馴染みのレフ板の代わりとして、白い紙などを手前にかざしてやると、反射で明るくすることができます。
結果はこのように変わりました。単純な手法ですが光は素直に反射するので、わかりやすく変化をつけることができます。


スマホで簡単レタッチ
撮れた写真をよりよく見せるには本来Photoshopなどを利用するのが普通ですが、画像をスマホに送って純正のレタッチツールを使うことによって、十分レベルアップさせることができます。お気に入りのフィルターアプリを使っても構いません。
本来レタッチ作業は、撮った状態が良いほど効果が上がるものです。
今回のようにしっかり工夫してライティングされた写真は、フィルターをかけても劣化せず狙い通りの絵作りになるはずです。
モニターなら何でも使えるかも
面光源であるモニターというアイテムを応用すれば、ノートPCでなくても据え置きモニターでも十分ライティングに使えます。
以下の画像は自分のデスクにあるモニター光を使って撮影してみました。


カメラ以外特別な道具は使っていません。
ノートPCのように角度は変えられませんが、光源が一方向なのでシックな表現には向いています。
このようにモニターという日常生活のありふれた光源を使って、誰でも簡単にライティング撮影ができることを紹介しました。
今後はiPadを使ってもっと自由な角度からライティングを行う例も紹介したいと思います。
どれだけカメラや画像の加工アプリが進化しても、最終的に写真でモノを言うのは光を操るというアナログな技術です。
今回のテクニックを使ってみて、普段の写真をよりよくして、ワクワクするフォトライフを送ってださい!
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